涙が愛しさに変わるまで
あたしはテーブルの下で、自分の手をぎゅっと握った。
「亮……別れよう」
自分で決めて言ったはずなのに、声はかすかに震えてた。
静まるリビング。
「真依……」
静けさを破ったのは亮の言葉だった。
「真依……わかってたよ。」
「……え」
驚いてつい声をもらした。
わかってたって……初めから別れるって気づいてたの?
「ずっと前からね。真依は俺といるときは……本当の笑顔じゃないから。」
亮は少し微笑んであたしに言った。