涙が愛しさに変わるまで

「大丈夫?なんか顔死んでたけど」



クスッと笑って言う今井さんを見て、ますます似てると思った。



「……だいじょぶ……たぶん」



あたしはそれだけ言うのにも必死だった。



というより、それしか言葉が出なかった。



「なんか急にテンション低いんだけど……本当に大丈夫か?」



あたしはそんな今井さんにコクンと頷いた。



「ほら!居酒屋行くんだから、元気だしとけよ!バカはいつでも元気じゃなきゃな!」



またあたしの頭を撫でながら、からかうように笑った。



あたしはからかわれたから、少しムッとしてしまった。



「バカとか言わないでください!」



そう言って腕を払おうとしたら、逆に腕を掴まれてしまった。



< 170 / 244 >

この作品をシェア

pagetop