涙が愛しさに変わるまで


「なっ!?」



「やーい!バカ真依ー!」


なにするんですかって言おうとしたら、そう言われてしまった。



『バーカ!バーカ!バカまー子♪』



今井さんの言葉を聞いたら、そんな桐沢社長が頭に浮かんだ。



『本当、まー子はバカだね~。』



なんて桐沢社長があたしの手首を掴んだまま、からかって言うんだ。



「真依ちゃん?ごめん、怒った?」



はっと我に帰ったあたしはニコッと笑ってみせた。



「怒ってないんで!早く離してください」



今井さんはそんなあたしに、はいはいって言いながら手を離した。



「じゃ、そろそろお客様来るしまた後で」



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