涙が愛しさに変わるまで
「な、なんですか?!」
緊張しすぎてどもってしまうあたし。
そんなあたしをクスクス笑う桐沢社長。
恥ずかしくなったけど、それより久しぶりの桐沢社長の笑顔が見れて嬉しくなった。
「意識してんだ?まー子はお子様ですね〜」
意地悪を言ってくる桐沢社長も久しぶりで……
「かーわいい」
からかわれるのも、可愛いって言われるのも久しぶりで……
……なにもかもがドキドキした。
「からかわないでください!」
これが精一杯の強がりだった。
心臓の音が聞こえないように少し大きい声を出した。