涙が愛しさに変わるまで


「俺のせい……?」



そう聞く優しい桐沢社長が愛しくて……



肩に頭をのっけて喋りかけてくる桐沢社長に涙が出てきて……



今のあたし……意味わかんないよ。



「桐沢しゃちょっ……の せいな、んか、ックじゃ」



「ごめん……真依」



桐沢社長がギュッとさっきよりも力強く、あたしを抱きしめた。



「真依泣かないで……真依が泣いてると俺も泣きたくなるから……」



桐沢社長の弱々しい言葉にあたしは胸がドキッとした。



いつも意地悪な桐沢社長なのに……



「あたし……もう大丈夫ですから……」



あたしは桐沢社長からそっと離れようとした



「もう少しだけ……そばにいて……」



でも、腕をひっぱられあたしは桐沢社長の胸の中にすっぽりおさまった。



< 34 / 244 >

この作品をシェア

pagetop