涙が愛しさに変わるまで


この人の考えてることがわからないよ……。



「まー子は本当に泣き虫ですね〜?」



桐沢社長があたしの後ろで言う。



またいつもの桐沢社長だよ〜!



「泣き虫なんかじゃないです!」



「あれ〜?さっきまで泣きじゃくってたのは誰だっけなぁ?」



うっ……そ、そうだけど



「あ、あれはあくびがひどかったんです!」



あたしが言うと桐沢社長は大笑いしながら床にねっころがった。



その時、あまりにも自然にあたしから離れたから少しさびしかった。



近くにいるのに……あたしはどんどんわがままになってる。



あなたが離れただけでもうダメなんだ。



また抱きしめて欲しくなっちゃうよ……。



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