涙が愛しさに変わるまで


気付けば後ろは社長室のドア。



ドアノブに手をかけても、ドアは開かなかった。



あれ……?



そんなあたしを見て、桐沢社長はクスッと笑った。



「鍵ならここだけど?」



そういってポケットから鍵を取り出して、あたしに見せた。



「まー子が今日来てすぐ閉めたんだけど……気付かなかった?」



あたしに顔を近づけて喋べる桐沢社長に、心臓が高鳴る。



顔もさっきより赤くなる……。



「やっ……」



あたしの頬に柔らかいものがあたった。



「まー子かーわいい」



あたしはそれが何だったのか気付くと、またさっきよりも真っ赤に……。



「か……からかわなっ!………んんっ」



あたしが顔をあげた瞬間、今度は唇にキスされた。



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