涙が愛しさに変わるまで
ドアに体を押し付けられる。
それと一緒に口の中に違和感を感じた。
それはあたしの舌を絡めとった。
「ぁ………やぁ」
あたしの声にならないような声が部屋に響く。
その反応に桐沢社長はクスッと笑って、あたしの顎を持ち上げた。
「まー子は舌入れただけで、もうダメなんですか?」
からかうような目……
いっそ、その瞳に吸い込まれてしまいたい……。
そしてあなたの一部になりたい……ずっと離れたくないから。
そう思ってしまうのはダメってわかってるの……
それでもあたしは……
「まー子?言って?」
あたしが桐沢社長のスーツの裾を掴んで、じっと見つめていたらあたしの考えてることが伝わっちゃったみたい。