涙が愛しさに変わるまで
「俺のまえから……いなくなんなよ真依」
呟くようにあたしの耳元で言った。
意味わかんないよ……。
そんなこと言わないで。
あたしは桐沢社長が好きなんだよ……?
「いなくなるわけ……ないじゃないですか」
……苦しくてもずっと好きなんだから。
いなくなれるわけないじゃん……。
桐沢社長はなんで寂しそうにするの……?
いつもはドSなのに……こういう時いきなり弱々しくなる。
「まー子はお利口さんですね〜」
笑いながらあたしをゆっくり離した。