涙が愛しさに変わるまで
あたしはその言葉が頭にきてつい口にしてしまったんだ……。
「……水野課長と大違い」
あたしの一言にみるからに嫌な顔をする桐沢社長。
「水野課長は今日だって優しくしてくれたのに」
「……そいつと喋ったのか?」
「え……キャッ……!」
あたしは気付けばソファーに押し倒されていた。
「きりさわ……しゃちょ」
「そいつはおまえのこと襲おうとしたんだぞ?」
桐沢社長があたしの上で低い声で言った。
「なんでそんなやつと喋んだよ……ましてやそいつのがいいってか?」