涙が愛しさに変わるまで
「ちょっと!」
「なぁ……俺以外のやつと喋んな」
桐沢社長はそう言って、あたしの上で切なそうな顔をした。
そしてゆっくりと手をあたしの服から出した。
……もしかして
「……し……嫉妬ですか?」
あたしは恐る恐る聞いた。
あたしの予想は「まー子と一緒にすんな!」とか馬鹿にすると思ってたんだけど……
「……そうだよ。だからもう俺のこと嫉妬させないでくんない?」
予想とはうらはらに桐沢社長は悲しそうな顔で言ったんだ。