涙が愛しさに変わるまで

本当は怖い……。



今にも泣きそうだよ…？



「こ、…怖くなんかない。早く……ど、どいてください」



声を振り絞って言った。



そんなあたしに冷たく笑った。



「そうは見えないけど？」


桐沢社長はそういうとあたしに近づき、耳元を舐めた。



「やぁっ……！」



あたしからは甘い声が漏れる。



首筋や胸元にまで顔を近づけてくる。



そのたびに反応してしまって……、そのたびに泣きそうになる。



……なんで桐沢社長はこんなことするの？



奥さんがいるのに…？



泣きそうになってるあたしを見て、クスッと笑う桐沢社長。



「可愛いね、真依？」



あたしが驚き桐沢社長を見た瞬間……



……あたしの唇が桐沢社長の唇によってふさがれた。