涙が愛しさに変わるまで
7:真依と夏羽
今日も桐沢社長はめんどくさそうに書類に目を通している。
あたしは書類を整理してるふりをして桐沢社長を見ている。
桐沢社長の目や、鼻、唇……すべてが好き。
桐沢社長を見ていると、自分じゃないみたいに素直になれる。
あたしが桐沢社長を見ていたらバチッと目があってしまった。
や……やばい!!
あたしはすぐに視線をそらした。
きっと顔はまた真っ赤。
お願い!ばれないで……。
「なーに見とれてんだよ」
桐沢社長があたしに近づいてきた。
やっぱりばれた!