涙が愛しさに変わるまで
「見てませんっ!ち、近づかないでください!」
桐沢社長の顔があまりにも近いので、あたしは必死に止めた。
心の中じゃ素直になれるのに、やっぱり口からでるのは強がりばかり。
「まー子の意地っ張りにも、もう慣れたよ」
あたしの顎を掴み、上に向ける桐沢社長。
「や、やめてくださいよ」
口ではそういうけど、やっぱり心のどこかでは嬉しいと思ってるあたし。
「嫌がってるようには見えないけど?」
桐沢社長のそんな言葉にもキュンとするあたし。
桐沢社長のせいで、あたしはどんどんおかしくなってる……。