涙が愛しさに変わるまで
♪プルルル〜
そんなあたしと桐沢社長の甘い時間を裂くように、社長室の電話がなった。
……嫌な予感がする。
桐沢社長はあたしから離れて、電話をとった。
「はい?……夏羽か」
……あぁ。
やっぱりこうやって奥さんの名前を聞くと、実感させられる。
桐沢社長には奥さんがいるって。
桐沢社長の指にはキラリと光る銀色の指輪。
結婚指輪か……
あたしが桐沢社長の奥さんになれたらどんなに嬉しかったかな……?
同じ指輪をつけて笑いあいたかったよ……。