涙が愛しさに変わるまで


桐沢社長はあきれたように少し笑った。



そしてあたしの頬に手をおいて、ゆっくりとキスをした。



唇と唇が優しく重なる。



桐沢社長がゆっくりと離れた。



「じゃ、また明日な。真依」



社長室を出ていってしまった桐沢社長。



あたしはその場に座りこんでしまった。



「……なんでこんな時ばっかり優しいのよ」



あたしの目からはボロボロと涙が落ちた。



無理矢理してくれたら、もしかしたら嫌いになれるかもしれないのに。



ダメなのに……また好きになってしまうよ。



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