涙が愛しさに変わるまで


とっさに言ったあたしの言葉にまた優しく笑う夏羽さん。



「それじゃあ、紅茶あるかしら?」



「あ!はい!」



あたしは急いで、隣の部屋にいって二つの紅茶を用意した。



……どうすればいいんだろう。



やっぱり「誠から手をひいて!」とか怒鳴られるのかな……。



あたしの頭はぐちゃぐちゃでなにがなんだかわからないよ……。



「お待たせしました」



あたしは社長室に戻り、夏羽さんに紅茶を差し出した。



「ありがとう。いい香り!ダージリンティーね」



夏羽さんは微笑みながら言うと、一口飲んでカップを置いた。



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