涙が愛しさに変わるまで


「夏羽さんは全然おばさんなんかじゃないですよ!」



むしろあたしのが……って言おうとした時



「ありがとう!お世辞でも嬉しい!」



そう言うと夏羽さんは口もとをあげて笑った。



……夏羽さん?



「その可愛い顔で、誠のこと誘惑しないでよね?」



顔はうつむいていて、よく見えなかったけどあきらかに声が低かった。



夏羽さんが顔をあげた時には、またあの笑顔があった。



「じゃあ、あたしはそろそろ帰るわね♪お邪魔してごめんね真依ちゃん!」



「いえっ!全然大丈夫ですので!」



< 83 / 244 >

この作品をシェア

pagetop