涙が愛しさに変わるまで
「ははっ!まー子は本当可愛いね?」
桐沢社長があたしの頭をポンポンと二度撫で、はなれていった。
あたしの顔が真っ赤に染まる。
その場からはなれたはずの桐沢社長が振り向いた。
「まー子?なーに真っ赤になってんの?」
って意地悪く微笑んだ。
「ち…違います!この部屋が暑いんです」
あたしが言うと桐沢社長はまたククッと笑い、「どーだかね?」と呟きデスクに戻った。
あたしは馬鹿にされたようでまた真っ赤になった。
あたしってなんでこんなにわかりやすいんだろう……?
あたしは早足で社長室を出た。
隣の部屋で自分ようのコーヒーを入れる。
熱を冷ますように、大好きなアイスコーヒー。