涙が愛しさに変わるまで
あたしが「え?」と聞き返すよりも早く、桐沢社長があたしの耳を噛んだ。
「やぁ」
「あーあ。今のは完全にまー子が悪い。」
桐沢社長はあたしの顎を持ち、目を合わせさせた。
……やっぱり何度見てもかっこいい。
「もう……知らないよ?」
すぐにあたしの唇は塞がれた。
……本当……あたしバカみたい。
「真依ちゃん…?」
溺れすぎて……周りの状況が……
いや……夏羽さんが来たのに気付かなかったなんて。