Tears in Love〜せつない想い〜上
あたし達の物語は
まだ始まったばかり・・・



次の日。

いつも通り、
武道館につくとあたしは

部室に入り、
防具に着替えた。


今日はあたしが
最後だったようだ。


みんな着替えを済まし、
準備運動をしていた。


数分後。


「・・遅れてすみません!」


慌てて道場に入るあたし。


男子は一斉にあたしを見る。


そのなかに
矢野先輩と長瀬先輩がいた。


二人はあたしを見るなり、


「柳原ー!」


同時にそう叫ぶ。


「・・・えっ??」


あたしは驚いた。


そして二人も
驚いて互いに見つめ合う。


ど・・どーしたのかな?


あたし
二人に何かした??



そう思っていると、
部長があたしに呼び掛けた。


「柳原、早く準備して」

「あ・・・!はい!!」


素早くあたしは、
自分のお面を手にとり

いつもの場所に、
お面を置いた。


そしてお面を置くと、
みんなの輪に入った。


自分のペースで
準備運動をし始めたあたし。



すると。



「柳原、
この前の宿題終わった?」


突然、優があたしに
そう言った。


「宿題・・・?あーあれね。

分かんないから、
あとで友達に聞こうかと
思ってるんだ」



優の方に目線をやるあたし。


それを聞いた部長は、


「その宿題って、何の教科?」


あたしにそう聞いてきた。


あたしは、
部長の方に目線をやると、

「社会です・・・」


弱々しく、
答えたあたし。



その時だ。


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