Tears in Love〜せつない想い〜上
「柳原・・・?」


「・・・!?」



バッ・・・


驚いたあたしは、
呼ばれた方に体を向けた。


そこには、



長瀬先輩が立っていた。



「何やってんの?
そんな所で」


「え・・いや・・

男子何やってんのかなー?って
思って・・」


馬鹿だあたし。


下手な嘘をつくなんて。


もっとあるじゃん。

何かを借りに来たけど
男子が扉閉めちゃったから

中に入れない・・・とか、


もっといい嘘があるのに。


本当あたしって
こーゆう時にだけ、
頭が働かない。


「ふーーん」


呆気なく長瀬先輩は
部室に入ろうとした。



がしっ・・・



思わず長瀬先輩の
腕をつかむあたし。



「・・・っ!?」


「あの・・・っ!!」


「何・・・?」



はっ・・・!!


我に返るあたし。


バッ・・・


長瀬先輩の腕から
手を離すと、


「あの・・・えっと・・・
つまりその・・・」


おどおどするあたしを見ると

長瀬先輩は、


「用がないなら、
俺行くよ」


扉のドアノブを掴む。


「・・・待っ」



がしっ・・


またあたしは
長瀬先輩の腕を掴む。


「・・なんだよ」


冷たく言う長瀬先輩。


あたしは
このあと自分でも驚くほどの事を



口にした。




「長瀬先輩・・・っ

好きな人って誰ですか!?」



「はぁ・・・?」
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