Tears in Love〜せつない想い〜上
何言ってんの!!?


あたし!!


可笑しすぎるじゃん!!


急に・・・なんで・・・。



「なんだよ、急に」


「え・・・」


「お前、俺の事好きなの?」



ドキッ・・・



「え・・・っ!!違います!!」


すぐにいい返すあたし。


「だよな。お前、大地だもんな」



・・・ズキン。



あれ・・今のなんだろ。



一瞬胸の奥の方が、
痛かった。



「俺の好きな奴、

知りたいのけ?」


「あ・・・はいっ!!」



「・・内緒♪」


笑顔でそう言う長瀬先輩。


「え・・・?」


きょとんとするあたし。


「・・・っ!!」


すると、
長瀬先輩は部室に入り、

鞄を置いて、
どこかへ去って行った。


「え・・・?何・・・?」


あたし何か
したかな??



その頃、
長瀬先輩は。



「はぁ・・・あれは反則だろ」



武道館の裏にある
壁によっ掛かる長瀬先輩。


髪に手をあて・・・。



「好きな奴はお前だよ。

ばーーか。」



(ずっと前から・・・
お前の事、知ってた。


アイツに想いを
寄せてる時から・・・


でも告白はできねー・・・)


「親友の好きな奴は
奪えねーから・・・」



サァァァァ・・・・


風が舞う。



「・・・もしかして、あたし・・」



長瀬先輩の事が・・・。



けれど。


あたし達は
互いにすれ違い・・・。



互いの想いに気づかず・・・


そのまま・・
あたし達の物語は
最後の段階へと



昇ろうとしていた。
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