Tears in Love〜せつない想い〜上
たたたっ


あたしは駆け出す。


「取れた?ゴミ?」


「あぁ・・取れた」


長瀬先輩は
山崎さんから離れる。


「まじで目痛かった〜!!

ありがとね、啓」


「・・・別に」


目を抑える山崎さん。


「そーいえば、さっき誰か
そこ走ってかなかった?」


「知らねーよ。

お前見てたんだから」


それを聞いた山崎さんは。


「空ちゃんだったりして」


「・・・んなわけねーだろ。
もう帰ってるだろ」


「そーかなぁ?でもそーだよね。

もし空ちゃんだったら
まずいもんね」


山崎さんは笑う。

長瀬先輩は山崎さんを見る。


「今の遠くから見てたら、

あたしらキスしてるよーに
見えるし♪

それを空ちゃんが
見たら勘違いしちゃうもんね」


「・・・・」



下駄箱。



「はぁはぁ・・・っ」



どうして・・・・?



どうしてキスしてたの・・・?


二人共、
本当は付き合ってたの・・・?


長瀬先輩、
やっぱり告白OKしたの・・?



「・・・・っ」



突然、涙が流れた。



「あれ・・・?

なんで泣いてるんだろう・・・?」



可笑しいな・・・



全然悲しくなんかないのに・・・



涙が・・・流れてくる。



「止まらないよ・・・っ」



涙を手で拭きながら、
立ち止まるあたし。



その時だ。




ふわっ・・・




「・・・っ??」



「なんで・・・泣いてんの。」



あたしは後ろから
抱きしめられた。


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