Tears in Love〜せつない想い〜上
次の日の部活。


「悪かったよ」


「え・・・?」


突然、
長瀬先輩がそう言った。


「どーしたんですか?」


急に言われたあたしは
少し戸惑う。


長瀬先輩は
床に目線を下ろし、


髪をくしゃくしゃに
しながら、


ぶっきらぼうに
あたしに言う。


「いや・・昨日、
言い過ぎたから・・・。

それで・・・」


「・・・っ!」



か・・可愛い。


前までは・・いや、
昨日までは、

こいつムカつく!・・って
思ってたけど・・


改めて
よく考えてみると、


長瀬先輩って
頼れるいい先輩・・


そんな気がする・・・。



いつも
引っ張ってく存在。



あはは。



長瀬先輩って
本当はいい奴なんだね。


見直した♪


「大丈夫ですよ・・!

あたしも
言い過ぎちゃいましたし・・」


「・・・本当かっ!?」



ドキッ・・・



不覚にも
こいつの笑顔に


胸が打たれた・・・。


あれ・・?
なんだろ。


急に
鼓動が早くなってきた。


「柳原っていい奴だな♪」


長瀬先輩は
あたしに笑顔を向ける。


ドキッ・・・



まただ。



まさか・・あたし。



「じゃ、今日も
練習頑張ろうな♪」



長瀬先輩は
そう言うと去って行った。



いつもと態度違くない!?


なんか
いつもより優しい・・・


それに笑顔・・・



あたし
もしかして・・・



長瀬先輩、


あなたに・・・



そう・・あたしは
一瞬であなたに恋をした。


「・・・・」



遠くで
あたしと長瀬先輩を
見つめていた矢野先輩。


そして
この時から、


あたし達・・


3人の物語が
始まったのだ。
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