― Summer Drop ―
「あっ、すいませんっ!」

顔を上げると

そこに立っていたのは謙太だった。

慌ててシャープペンや消しゴムを拾うけれど、恥ずかしくて謙太を見ることができない。

一気に顔に血が上るの分かる。

きっと今、耳まで真っ赤だ。


「馬鹿だな」

褪めた小さな声が聞こえたと同時に自動ドアが開き

謙太は行ってしまった。


千夏は少しの間

呆然と自動ドアを見つめていた。
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