― Summer Drop ―
千夏と辰雄は1年生の時に同じクラスになった。
その時の担任教師は、ほとんど席替えをしないことで有名で
二人は二学期の間中、隣同士だった。
その間、千夏が辰雄に教科書を見せた回数、
寝息をたてて気持ちよく眠る辰雄を起こした回数は、数え切れない。
二年生でも同じクラスになり、そんな関係は変わらずに続いていた。
「もう……分かった。今回だけやで。…辰雄、ほんまはよ観に来てくれる彼女作りなよ」
「…………うっさいわ。じゃあな」
目的を果たし、練習開始時間の迫る部活へと慌てて走って向かう坊主頭を
千夏は手を振って見送った。
その時の担任教師は、ほとんど席替えをしないことで有名で
二人は二学期の間中、隣同士だった。
その間、千夏が辰雄に教科書を見せた回数、
寝息をたてて気持ちよく眠る辰雄を起こした回数は、数え切れない。
二年生でも同じクラスになり、そんな関係は変わらずに続いていた。
「もう……分かった。今回だけやで。…辰雄、ほんまはよ観に来てくれる彼女作りなよ」
「…………うっさいわ。じゃあな」
目的を果たし、練習開始時間の迫る部活へと慌てて走って向かう坊主頭を
千夏は手を振って見送った。