― Summer Drop ―
夜になっても、一連の図書館での出来事が頭から離れず、何もする気になれなかった。

『馬鹿だな』

謙太の言った一言が、耳に残って消えない。

わたしの勝手な気持ちを見透かしていたみたいな言葉だと思った。

声なんて掛けなければよかった。

図書館なんて行かなければよかった。

どうして、すきになんてなったんだろう。


本当に馬鹿みたいだ。


そう思うとまた涙が滲んだ。
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