― Summer Drop ―
「千夏遅いなー……」

立ち読みしていた雑誌をスタンドに戻し、腕時計に目をやる。

海の日の今日、朋子は千夏と手芸用品店に行く約束をしていた。

夏休みの家庭科の宿題の材料を買いに行くのだ。

けれども待ち合わせをしている筈の駅に千夏の姿はなく、コンビニで

雑誌を捲りながら、もう一時間近くも待っていた。

携帯電話の電源が切れているのか、何度電話してもメールを送っても返事はない。

もう一度電話してみようと

発信履歴で千夏の携帯番号を選択する。
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