― Summer Drop ―
千夏がトイレから教室に戻ると、

朋子の机の横に辰雄が立っている。


必死な顔の辰雄に、困り顔の朋子。

千夏はすぐに状況を理解した。



「やけん柏原さんからも言うてやってよ。どうしても………いてっ。」

千夏が後ろから辰雄の左足を蹴ったため、

最後まで言うことは防がれた。


「教室帰ったんじゃなかったん!?つきこにまで迷惑掛けて!」

「…オレは千夏に来てほしいだけなんやって……。」

急にしゅんとなって言う。

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