― Summer Drop ―
千夏は謙太を見ていた。




6回からマウンドを譲り

レフトを守っている。

飛んできたボールを追って

全速力で走る。



その一瞬。



目が合った───

いや、

きっと私の気のせい。



謙太がフェンスのギリギリまで下がって

思いきり飛び上がった。
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