― Summer Drop ―
正午に近づき

日差しは鋭さを増した。

買ったばかりのアイスキャンディーが

食べる前に溶け始める。



三人は並んで、

一時間に二本しかないバスを待っていた。

「くそー川原、おいしいとこ全部持ってきやがって……。」

辰雄は苦虫を噛み潰したような顔になる。

「もうちょっとで千夏にええとこ見せれよったのに……。けど今日オレ、カッコ良くなかった?………千夏ー?」

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