猿に敬礼




ギィと音を立てて、
自動的に開いた
ソコに目を向ければ
ソコに立って私を見つめるから
手招きする。












「扉に隠れていないで出ておいで。」











小さな兄弟二人は如何せん何がしたいのか。


















      、、、
二人は人間くさく
二人を見やるのが私の日課であった。













「某、何故生きているのか」

「主さんが好きだからです。」

「某は」

「主さんが好きだからです。」










溜息一つ点せずに
私はまた
二人の目を見やれば
片方はホワイトアイ、もう片方はキャッツアイ。
如何せん解りかねます。












「何故その瞳、欲しがる。」



解りきった質問の答えを欲しがる私も
まだまだ差別的に子供であり、孤独であると感じる事は度々あるが
現代の自由は本当に自由なのか?















「主さんがしておられたからです。」

「その方もか」

「はい。主さんがしておられた故」












他人と同物を共有し、
所持する事により人は
安心感を得る生き物らしいが
この事が命取りとならぬ事を
祈らなければならない。



















神というものがいるのなら私か、はたまた俺か。

「なぁ、」















私に成りたいのか?
私のように成りたいのか?
俺のようになりたいのか
俺になりたいのか









 
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