一人じゃないよ
同居人
風春ちゃんの後ろについていくと、エレベーターを降りて右の一番奥のドアの前で止まった。
ドアには707と部屋番号のプレートがある。
風春ちゃんがドアの近くにあったインターホンを押すと、すぐに部屋の中から玄関に向かって歩いてくる音が聞こえた。
ガチャ
「どちらさまですか…って、風春か。ああ、その子が綺咲ちゃん?」
「そう、あたしの大事な可愛い妹。あたしに代わってこれから面倒見てあげてね」
部屋から出てきた人と風春ちゃんは親しそうに話していた。
でも、そんな二人の会話なんて今のあたしには全然入ってこない。
だって中から出てきた風春ちゃんの友達っていう人は……男の人だったから。