一人じゃないよ

綺咲はぽろぽろと涙を流し始めた。


俺にはどうして泣いてるのか分らなくて…。


「俺が嘘ついたのがいけなかったのか？だったら謝るから。だから泣くな」


「…っく…あたしのこと嫌いになったんじゃないの？」


「どうして？俺は綺咲のこと大好きだよ」


こんな可愛いやつを嫌いになんてなれるはずがない。


「だって街であの人と…ヒック……会ってたじゃない」


「あの人？…あ、もしかして美雪のことか？」


綺咲は黙って頷いた。