一人じゃないよ


「ごめんね綺咲。友達の中で都合のいい奴が、コイツだけしかいなくて…。男だってこと黙ってて本当にごめん」


男の人とは話が終わったのか、風春ちゃんは謝ってきた。


ああそうか、あたしに今日まで同居人が変わったことを言わなかったのは、相手が男の人だったからなんだ。


そりゃあ同居人が男の人だなんて言いにくいよね。


「ううん、風春ちゃんは悪くないよ。あたし頑張るから」


何を頑張るのかあんまり意味分かんなかったけど、そんなありきたりな返事をしておいた。


でも本当は叫びたい気分だった。


これから男の人と一緒に暮らすの!?
絶対ヤダーー!!




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