一人じゃないよ
だってあたしは仮じゃなくても女の子なんだよ?
それでも、せっかく風春ちゃんがあたしのために住むところを手配してくれたんだから断るわけにもいかない。
「コイツも一応あたしの信用できる友達だから、心配しなくても大丈夫だと思う。…でも、もしもコイツが変なことしてきたら、あたしに連絡してね」
「わ、分かった」
「じゃあまたね、綺咲」
風春ちゃんはそう言って帰っていった。
風春ちゃんを見送っていると、男の人が声をかけてくれた。