一人じゃないよ
「綺咲、とりあえず中に入れよ」
「あ、はい…」
なんかいきなり呼び捨てだし。
別にあたしが年下だから構わないけどさ。
「…おじゃまします」
「フッ……今日からここに住むんだからおじゃましますじゃないだろ」
部屋に入ろうとしてすぐに指摘された。
たしかに今日からここに住むのに、おじゃましますはないかも。
「……えっと、ただいま…?」
「おかえり綺咲」
彼はそう微笑んでくれて、あたしはなぜかドキッとした。