一人じゃないよ


俺は綺咲を抱きかかえると、部屋に運んでベッドに降ろした。


降ろす瞬間きさきの髪が垂れ落ちて、風呂上りなのかいい匂いがした。


やべぇ…これ以上ここにいたら寝ていようと襲いそうだ。


高ぶってきた感情を必死に理性で押さえつけると、俺は綺咲の部屋から出た。


細い腕、細い首、華奢な体。


誘ってるかのような甘い香り。


だめだ、どうしても頭から離れない。


次に綺咲とあんなに接触することがあれば、抑えられる自信がない。




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