一人じゃないよ


「ん?…………え、俺の服?」


「名前を言わなかったから分かりませんけど、水色の花のピアスをした綺麗な女の人でしたよ」


あたしがそういった瞬間、亜樹さんの表情が変わった。


「水色のピアス……そうか」


呟くようにそれだけ言うと、亜樹さんは自室へ戻ってしまった。


なにか引っ掛かることでもあったのかな。


せめてあの女の人が元カノかどうかだけでも聞きたかった。




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