一人じゃないよ


「あらあら確かに高いわね。…じゃあ今日はもう帰りなさい。あなたは担任の先生に知らせて、この子の荷物でも持ってきてちょうだい?」


「分かりました」


未来は先生から指示を受けると、保健室を出て行った。


「えっと…桜木さんだったわよね。そこのベッドで安静にしてなさい」


「はい」


促されてベッドで横になると、一気に体が重くなった気がした。


あたしはその気だるさですぐに眠りについてしまった。


―――――‐‐‐


次にあたしの目が覚めたのは、額に冷たい感触を感じたからだった。




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