一人じゃないよ





家に帰り着いて、フラフラする体を亜樹さんに支えられながら自室のベッドに横になった。


「水とかいる?それより氷を持ってきたほうがいいんだっけ」


亜樹さんが少しうろたえてて、ちょっと可愛いなんて思ってしまう。


熱があるのに、あたしってけっこう余裕あるんだなって思った。


「大丈夫ですよ亜樹さん。…それより仕事は大丈夫なんですか?」


現在時刻はすでに1時を過ぎたところ。


たいていの仕事場じゃ休憩時間なんて、とっくに終わってる時間。


「あ、そろそろ戻らねぇとやべぇな。悪い、今日はできるだけ早く仕事終わらせてくるから」


「心配しないでください。あたしなら一人でも大丈夫ですから」


風春ちゃんと二人で暮らしてたときも、こんなことあったけど大丈夫だった。


いつも寝てれば次の日の朝には治ってるから。




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