一人じゃないよ
「薬は俺の部屋にあるから、勝手に使って。それじゃ、おとなしく寝てろよ?」
「はぁい」
亜樹さんが部屋を出る間際に心配そうな顔をしてあたしを見た。
でも、時間が迫っていたのか心配そうな顔は崩さないまま、部屋を出ていって、すぐに玄関の閉まる音もした。
あたしはその音をしっかりと聞いて、すぐに簡単な私服に着替えた。
熱があるけど今日は絶対買い物に行かなきゃ。
でないと、食材はもうほとんど残ってない。
亜樹さんは忙しいんだし、とても頼んだりできないし。
まだ動けるうちに行っておこう。
あたしはちゃんとコートを着て、近くのスーパーに向かった。