一人じゃないよ
俺は急いでぐったりしている綺咲を抱き上げ、ベッドに運んだ。
買ってきた冷却シートを額に貼り付けると、なんとか落ち着いたみたいで、さっきよりは顔色がよくなっている。
アイスをリビングに置きっぱなしにしていたのを思い出して、冷蔵庫に直していると、あることに気づいた。
今朝見たときより、冷蔵庫の中身が増えていたんだ。
まさか……。
綺咲の部屋に戻ってみると、ちょうどよく綺咲が目覚めた。
「…ん……あ、亜樹さんお帰りなさい」
自分が体調が悪くても笑顔でそう言ってくれるのが、いつもなら嬉しいことなんだけど今はそうはいかなかった。