一人じゃないよ

ラフな格好をしているのに、亜樹さんだとやっぱりカッコイイ。


「あ、準備できた?それじゃあ行こうか」


「あ…はい」


あれ、服のこととかなにも言ってくれない…。


やっぱり可愛くなかったのかな。


「はい、彼女の特等席」


亜樹さんはそう言って助手席のドアを開けてくれた。


「ありがとう」


その“彼女の特等席”って響きがなんだかくすぐったくて、でも嬉しかった。




< 94 / 120 >

この作品をシェア

pagetop