無口なDarling

麻生君が言うには、猛が三ヶ月記念日のちょっと前にいきなり


「女って何欲しいのか教えろ」


って言ってきて、麻生君はアクセサリーじゃない?って言ったらしい。


そういえば毎日一緒に帰ってたのに、1日だけ


「先帰れ」


って言われた日があった。


これ、買いに行ってくれてたのかな。



「泣くな。バカ。」


そう思ったら、なんだかすごく嬉しくてどんどん溢れて行く涙。


「だって・・・嬉しいんだよ。」



ギュって優しく抱き返してくれる。


だって、本当に付き合ってるのか不安で・・・


好きなのは私だけなのかって不安で・・・



「・・・・お姉さんのなんて嘘言わなくたっていいじゃない。」



「・・・恥ずいだろ。」


猛が照れ隠しなのかギューって抱きしめてくれる。



愛しい。愛しい。



「三ヶ月記念日・・・覚えててくれたんだね。」


顔を上げて猛の顔を見ると、少し赤い。



「まぁな」


フイっと横を向く猛は普段の大人っぽい男の子ではなく、普通の高校生のように感じた。

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