無口なDarling


澄子の体をなぞって行くと、澄子の視線があるものに止まった。



「猛・・・それぇっ」



再び枕が濡れる。



「・・・おそろい?」


泣きながらニコっと笑い、自分の手を俺に見せる。



「まーな」



なんだか、澄子が幸せそうに泣くからすっげー抱きしめたくなった。




何も着てない澄子の体を上からぎゅっと抱きしめると、「重いよー」なんていいながらも俺の背中に手を回し、俺の首筋に頭を摺り寄せる。




「猛ー私、こんな幸せでいいのかなぁ?」



俺の背中の上で、俺があげた指輪をなぞっている。



「おおげさだろ」



そう俺が言うと、頬を膨らませて怒る。



「でも猛が照れ屋なのは私が一番知ってるもんねっ」


チュっと澄子が体を浮かして、俺にキスをした。



なんか負けた気もしたけど、あり得ないくらい俺も幸せ感じたから。



・・・なんて事は死んでも言わねーけど。



お返しに、澄子の呼吸ごと唇を奪った。




トロンろした虚ろな目になった澄子をそのまま貫いた。




後ろを向かせて、抱きしめるように突くとシーツをギュッと握り締める澄子。




いつもと同じ光景なんだけど・・・




シーツを握り締める左手の指には、俺の愛の証。




・・・愛の証?




そんな可愛いもんじゃねーな。



そんなの俺の独占欲の固まりだよ。




キラっと輝いてるけど、中身はドロドロな俺の独占欲。



素直で純真な澄子は一生気づかねーだろうけど。





俺の元からいなくならないように・・・




俺の傍から離れないように・・・



その指輪がお前の指に光り続ければいい。



【愛の証】


END



< 125 / 286 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop