無口なDarling
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高校1年の冬の終わり、っと言ってもまだ寒さに包まれる季節。冬休みが空けてもまだ休みボケが残っている。
俺は中庭の植木の後ろあたりで煙草を吸っていた。
そこはまぁ溜まり場みたいなもんで、ちょうど職員室から死角になる所だった。
「ダリぃー」
出席日数が足りないとかなんとかで、無理矢理来させられたけどマジでだるい。
「あー面倒くせー」
煙草の火を消してドサっと芝生の上に横になると、丁度植木を挟んだ所にあるベンチに女二人が座ってきた。
「えー!?あの男の子~!?」
座ったとたんに話し出す女達。ったく、うるせーなぁ。
「だってね。格好よくない??前にね駅で変な人に絡まれた時助けてくれたんだよー」
「え~?でもぉ・・・」
・・・これは噂の“恋バナ”ってやつか?
暇だし、おもしれーから聞いてよ。
「だってさ!背は高いし!ちょっと目つき悪いけどぉ・・・でも格好よくない!?」
「う~ん・・・格好いいけどさぁ?・・・ゆ・・ブフ!!「ちょっと!!名前出さないで!どこで誰が聞いてるか分からないでしょ!?」
友達らしき女が、その好きな男の名前を出そうとした瞬間その女の口を塞いだ。
・・・たしかに俺聞いてるし。