無口なDarling
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「・・・」
「・・・」
あの後、結局猛が渉の腕を強引に解いた。
今は文化祭から帰ってきて、猛が私の家に遊びに来ている。
遊びに来ている、と言うか・・・
「・・・」
帰ってきてからはお互いにずっと無言。いつもだって猛は無口だけど、いつもの感じじゃなくて、沈黙がすごい重い。
だけど、重い沈黙を破ったのは以外にも猛だった。
「さっきの奴。お前の前の男?」
猛は私の方を見ようとしない。
「えっと・・・」
嘘ついても仕方がないよね。
「ん・・・。そう。中学の時に始めて付き合った人で・・・高校入学する前に別れちゃったの」
猛が相槌もなく耳だけ傾けてる感じ・・・
「別れた理由はね?特に無いんだけど・・・やっぱり環境が変わったし・・・アハ」
あまりにも猛が喋らないので、苦笑いが出る。
「・・・」
「でも!今はね?」
“関係ないよ?”
その一言を言う前に、視界がぐるっと変わった。