無口なDarling
恐る恐るメールを開く。
その文章を読んで、俺は驚いた。
【猛、無事家に着いた??心配だからメールちょうだいね。】
別れのメールではなく、むしろ俺を心配するメールだった。
「・・・バカじゃねーの?」
本当、こいつバカじゃねーの??
普通あんな事した男の心配なんかするか?
「・・・っ」
どうして、あんな無理矢理あいつを傷つけたんだろう。
今まで、俺なりに大切にしてきたのに。
「くっそ・・・」
むかついた。
むかついただけだった・・・
文化祭で会った男、
澄子の初めての男に。
明るそうで、男女かまわず人気のありそうな・・・澄子に似てそうな男。
俺が澄子の手を引いて帰ろうとすると、澄子の顔を見て複雑な顔をした。
澄子も、あの男のそんな顔を見て少し瞳が揺れていた。
澄子の家に着き、アイツが違う部屋で着替えてる間、机に並んであったアルバムが目に入った。
見なければいいのに、勝手に動く体。
澄子の中学の卒業アルバム。
パラパラとめくると、少し幼い澄子の隣にいる男が目に入った。
クラス写真からも分かる。じゃれあってる仲の良さそうな二人。